生活保護をベーシックインカムに置き換えるという案

日本には生活保護という社会保障制度があります。これをベーシックインカムに置き換えるという案があります。

生活保護の意義

まず、生活保護というものがなぜ日本に存在するのかという理由について考えてみます。

制度の趣旨
生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。

引用:生活保護制度 – 厚生労働省

厚生労働省のホームページにはこう書かれています。生活の困窮が原因で餓死してしまわないように経済的だけでなく、様々な援助を行い、最終的には自立させることを目的としています。

ベーシックインカムの定義

ベーシックインカムの仕組みはこちらに詳しく書いていますが、「一人一人が無条件で最低限生活できるお金を支給する」事を目的としています。

生活保護をベーシックインカムに置き換えることは可能か?

生活保護を廃止してベーシックインカムに置き換えることは可能なのか、二つの制度を対比させて考えてみます。

  生活保護 ベーシックインカム
制度の目的 生活に困窮した人たちの援助、および自立支援 最低限の生活費の支給
制度を受ける条件 本人の能力をフル活用しても生活が困窮しているとき 日本に住んでいれば誰でも
金銭的支給額 最低限の生活費 最低限の生活費
金銭的援助以外の援助 あり

なし

一見、ベーシックインカムの方がみんなに恩恵があってメリットが大きいようにも見えますが、表の一番下の「金銭的援助以外の援助」に関して言えば生活保護の方が充実しています。そして現在生活保護を受けている人にとってはこの「金銭的援助以外の援助」が重要となってきます。

金銭的援助以外の援助とは?

生活保護と聞くと「働かなくてもお金がもらえる制度」と考える人もいるかもしれませんが、生活保護制度の支援内容はそう単純なものではありません。生活保護の種類と内容は以下の通りとなっています。

生活を営む上で生じる費用 扶助の種類 支給内容
日常生活に必要な費用
(食費・被服費・光熱費等)
生活扶助 基準額は、

  1. (1)食費等の個人的費用
  2. (2)光熱水費等の世帯共通費用を合算して算出。

特定の世帯には加算があります。(母子加算等)

アパート等の家賃 住宅扶助 定められた範囲内で実費を支給
義務教育を受けるために必要な学用品費 教育扶助 定められた基準額を支給
医療サービスの費用 医療扶助 費用は直接医療機関へ支払
(本人負担なし)
介護サービスの費用 介護扶助 費用は直接介護事業者へ支払
(本人負担なし)
出産費用 出産扶助 定められた範囲内で実費を支給
就労に必要な技能の修得等にかかる費用 生業扶助 定められた範囲内で実費を支給
葬祭費用 葬祭扶助 定められた範囲内で実費を支給

引用:生活保護制度 – 厚生労働省

ほとんどがお金をもらえる内容となっていますが、医療扶助と介護扶助のみはお金の支給ではなく、本人の負担がなくなるという形をとっています。このため、単純に生活保護をベーシックインカムに置き換えるという方法をとった場合、例えば重病で生活保護を受けている高齢者が医療費の負担がかかるようになり、結果医療費がかかってしまうといったことが考えられます。

これを防ぐためには、本人の負担を減らすこういった制度を新たに作る必要がありそうですね。

しかし、そういった問題を解決すれば、ベーシックインカムによって経済的に困窮する人が少なくなる可能性は十分にあると考えられます。

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