ベーシックインカムの導入が検討された背景

ヨーロッパで導入の検討や議論が活発となっているベーシックインカムですが、なぜこのような制度を導入しようという流れになっているのでしょうか?

ベーシックインカムと似たような制度は昔から考えられていた

ベーシックインカムの原点は昔イギリスで実施されていた救貧法というものにさかのぼるといわれています。この時代、イギリスでは貧困が原因で様々な問題が発生していたこともあり、貧民を救うための制度が実施されました。(貧民法に関してはここでは詳しくは触れません)

これは1500年代の話で、ずいぶん前から貧しい人たちを救うための日本の生活保護のようなシステムは存在していたのです。イギリスの救貧法は名前や制度の形こそ変わっているものの、現代でも似たような制度が存在します。

イギリスには「ゆりかごから墓場まで」という言葉が存在します。戦後のイギリス労働党が掲げたスローガンであり、これに基づいた社会福祉制度は各国の制度にも影響を与えたといわれています。(もちろん、財政の悪化などの問題点もありましたが)

貧困を救う考えはやがて現代のベーシックインカムの考え方に近づいてきている

昔のイギリスの貧民法や現在の社会福祉制度、そして日本の生活保護などは全て「貧しい人を救う」という目的のために作られました。しかし、年がたつにつれて産業革命などが起こり、文明が進化するとともに国が抱える社会問題は多くなり、世の中の仕組みは複雑化していきました。

もちろん、この間にも経済問題を解決する方法としてあらゆる方法や構想が経済学者などによって打ち出されていきました。ベーシックインカムとはその中の一つに過ぎないともいえます。

ベーシックインカム制度は貧困問題の解決や行政の無駄を省くことができるというメリットがある一方、財源や勤労意欲の低下などの問題点があることは他の記事でも紹介している通りです。しかし、ベーシックインカムやそれに似た政策が世代をまたいで言及されているということはベーシックインカムという制度が必ずしもダメな政策でないとも考えられます。

1国全体でベーシックインカムが導入された例は過去にまだ存在しませんが、国内の一部の都市限定での実験的な実施はヨーロッパを中心にかなり積極的に行われているところを見ると、現代の多くの社会問題を解決できる大きな政策として期待できるのではないでしょうか?

2016年に行われたスイスでの国民投票は否決となりましたが、これはスイスで導入する制度に問題があったと考えられるため、ベーシックインカム制度自体が否定されたものではないと思われます。ベーシックインカムの議論はこれからも活発化していくことが予想されます。

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