ベーシックインカム導入事情 オランダ

ベーシックインカム制度は海外でも導入するかどうかの議論が行われています。 今回はオランダという国での導入事情を見ていきます。

既に実験が行われている

2016年9月現在において、オランダではすでにユトレヒトという都市でベーシックインカムの導入実験が行われています。

オランダの第4都市ユトレヒト市(人口 311,367 人)とその周辺の地方自治体も、2016年から「ベーシック・インカム」を実験的に導入する準備を行っていることが明らかになった。

引用:ヨーロッパにおける「ベーシック・インカム」(1)オランダ ユトレヒト市 – Japan Local Government Centre

制度の詳しい中身は以下の通りです。

実験の対象者は、既存の社会保障給付の受給者約 300 人であり、一人当たり 900 ユーロから夫婦・世帯当たり 1300 ユーロの範囲内で「ベーシック・インカム」を受け取る。このうち、少なくとも 50 人は、無条件に「ベーシック・インカム」を受け取るグループであり、実験期間中に就職したり、他の収入口を得たとしても、引き続き「ベーシック・インカム」を受給し続ける。比較のために、このグループのほかに、それぞれ異なる条件により「ベーシック・インカム」の支給を受ける 3 つのグループと現行の社会保障給付が支給される
対照(制御)グループが設けられる。

引用:ヨーロッパにおける「ベーシック・インカム」(1)オランダ ユトレヒト市 – Japan Local Government Centre

実験が目的となっているためユトレヒトに住む全員が支給対象というわけではありませんが、対象になった人は無条件でベーシックインカムをもらい続けることができます。

支給額の900ユーロ~1300ユーロという金額もオランダで最低限の生活を送るには妥当な金額設定となっており、「全員が無条件で最低限の生活費がもらえる」というベーシックインカムの構想にかなり似たよった実験内容となっています。(唯一全員がという部分が満たせていませんが、実験目的なのでここは無視してよいでしょう)

ベーシックインカムをもらった人はどのように行動するのか?

ベーシックインカムについてのメリットやデメリット、課題点など、ベーシックインカムには様々な議論がありますが、このユトレヒトの実験によってベーシックインカムを導入した際の社会的効果の「結果」を得ることができるという点では非常に大きな動きといえるでしょう。

2016年12月の段階ではまだまとまった報告はないようですが、ベーシックインカム制度が良いものなのか悪いものなのかを判断する材料が増えることはよいことだと思います。

2017年からはさらに実験対象が拡大されるかも

2016年の秋ごろにこのような記事を見つけました。ベーシックインカムの実験についてさらに拡大する提案がされたという記事です。

A maximum of 25 municipalities, or 4% of the total number of Dutch welfare claimants, will be allowed to participate in the experiments. According to Statline (Electronic Databank of Statistics Netherlands), there were 546.090 persons with a social assistance benefit in December 2015; thus, around 21.843 persons will be involved in the experiments. Only municipalities which have implemented the Participation Act in fullness will be selected for one of the pilots. The duration of the experiments is set at two years. Stakeholders criticize this as of ‘too limited duration’.

引用:NETHERLANDS: Design of BI Experiments Proposed – BIEN

簡単に要約すると・・・

  • 最大25の自治体、または福祉仕立人の総数の4%が実験対象となる
  • 上記に当てはまる対象人数は約21,843人
  • 実施期間は2年

となっており、もし実験の開始が許可されれば2017年の1月1日からスタートするとのことです。実施期間が2年というのは実験としては短すぎるのではないかという声も上がっていますが、なんにせよ2016年よりもベーシックインカムの実験の規模が大きくなることはそれだけオランダとしても積極的にベーシックインカムの導入に本気を出しているということがうかがえます。

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