ベーシックインカムと介護問題について

ベーシックインカムと日本が抱える社会問題の一つである介護問題について考えてみたいと思います。

介護問題について

高齢化が進む日本社会において、介護というものはとても重要なものになってきています。しかし、介護を取り巻く状況は決して良いものとは言えません。

介護サービスを受ける高齢者はともかく、働く人にとって介護というものはあまり良い印象を受けていません。

介護サービス業の職業イメージで最も多かった答えが「体力的にきつい仕事の多い業界だと思う」で61.0パーセント。「精神的にきつい仕事の多い業界だと思う」が53.8パーセントと仕事がきついというイメージを持つ人が過半数に登っていました。さらに、職業イメージの上位は「給与水準が低めの業界」「他人の人生に関わるのが大変そう」といったネガティブなイメージに占められており、「医療サービス業」と比べてネガティブイメージが強い傾向となっています。

引用:学生・社会人が抱く介護職のイメージは? 過半数がキツそう…と回答!? – みんなの介護ニュース

体力的にも精神的にもきつく、その割に給料は平均よりも同じかやや低いというイメージを持っている人が多いことは確かといえるでしょう。

介護施設は人手不足が続いている

こういったイメージの悪さからか、介護施設では職員の慢性的な人手不足が続いているようです。

NIKKEI STYLEによると、2014年度の有効求人倍率は全職種平均がほぼ1.0なのに対し、介護関連職種に絞ると2.0を超え、更にそれを人口の多い東京都のみに絞ると4.0を超えるとしています。また、同サイトでは今後さらに高齢化することを考えると介護職員の数はさらに必要となってくるとしています。

本来こういった人手不足に陥った時には賃金が上昇したり福利厚生が充実してきたりと何かと労働条件がよくなってくるものと思われるのですが、そういった気配は見られないこと、また先ほど挙げた一般的な「きつい」というイメージが払しょくできていないことから慢性的な人手不足が続いているものと思われます。

ベーシックインカムで解決できるか?

ここまで介護問題の大まかな部分についてまとめてきました。それではこの問題をベーシックインカムで解決することができるのでしょうか?

残念ながら、こればかりはベーシックインカムがデメリットに働く可能性が考えられます。ベーシックインカムの導入で介護を取り巻く環境がよくなるパターン、悪くなるパターンをそれぞれ個人的に予測してみます。

本当はやりたかった介護職に就いて人手不足の問題が解決なパターン

ベーシックインカムが導入された場合、職業選択をする際に必要以上に賃金のことを考える必要がなくなります。介護職は賃金の低さも指摘されていますが、ベーシックインカムの導入によってそれが大した問題ではなくなるため、本当は介護職をしてみたかったけれどできなかった人たちが介護職に流れて人手が解消するというパターンです。

しかし、先ほど挙げた介護職に対するネガティブなイメージが賃金以外の部分もあるため、実のところこういった人たちが多いのかはわかりません。

きつい仕事から解放されるために仕事をやめる人が増えて人手不足がさらに深刻化するパターン

現状を考えると、こっちの方が起きる可能性は高いです。介護の現場に関しては私は詳しくはわかりませんが、長時間労働やサービス残業などで不満を抱えているところは「とりあえず生活は何とかなるからやめる」という選択肢をとる人が出てくると考えられます。

こうなると現場ではさらに人手不足が深刻化し、残った人の負担が増加、悪いイメージが払しょくできないために人手は集まらず、そして残った人も限界が来て退職、という負の連鎖が起きるかもしれません。

あくまで予測ですのでこうならない可能性もありますが、こうなってくると困るのは人手不足に悩まされる介護施設側だけでなく、サービスを受ける高齢者も十分なサービスを受けられなくなる可能性があります。介護問題は労働面の悪さも指摘されていますが、こういったことを放置しておくと高齢者の人も困ったことになりかねないため、介護問題は高齢者の人も真剣に考える必要があるといえるでしょう。

ベーシックインカムの導入は労働者にとって職業選択の自由が広がる可能性があります。しかし、今回取り上げた介護問題のようにしわ寄せがくる可能性があることも考える必要がありそうですね。

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