ベーシックインカム導入事情 ナミビア

ベーシックインカム制度は海外でも導入するかどうかの議論が行われています。 今回はナミビアという国での導入事情を見ていきます。

ナミビアってどこの国?

日本にとって知名度があまりないと思われる国なのでナミビアについて軽く説明します。

ナミビアの位置は上の地図の通りです。アフリカに存在する国ですね。正式な名前はナミビア共和国です。1966年~1990年の24年間の間独立戦争を行い、1990年に南アフリカから独立した国です(ナミビア独立戦争)。

そして、このナミビアの中にあるとある村がベーシックインカムの試験導入地区として選ばれました。

Otjivero-Omitara村。人口は約1000人。首都から150キロ離れたところにある、もともと飢餓と貧困が蔓延した地域です。犯罪も非常に多く、隣の家の人さえ信用しない、そのため他人との交流もほぼ遮断されていました。

引用:ナミビアの貧困村で行われたベーシック・インカム支給の実験について – STONE

貧困が多いだけでなく、犯罪も多く、何ともサバイバルな村で行われるベーシックインカム制度はこの村に対してどのような実験をもたらすのでしょうか?

実験の内容

内容はいたって簡単です。対象となった地区に対して全員に月に100ナミビアドルを支給するというものです。実験ということもあるため支給される時期は2008年~2009年の2年間の限定であり、また60歳以上の人に関してはすでに年金が支払われていたことから支給対象外としました。

月額100ナミビアドルという金額がナミビアにとってどれほどの価値を持つのかはわかりませんが、どちらにせよこの実験で得られる結果は今後ベーシックインカムを考えるにおいて貴重なものとなることは間違いないでしょう。

結果

南アフリカとナミビアの現金支給プログラムによると、子どもの栄養失調の減少、収入を得るための活動の増加(働く意欲の増加)、就学率の上昇などといった良い結果が出ているとしています。

また、これ以外の情報として犯罪の減少、医療を受けることができる人の増加、更にはベーシックインカムを元手に商売を始める人などもあらわれたようです。もちろん貧困も減少し、村人同士の交流も生まれるという様々な効果が表れました。ベーシックインカムの導入によってサバイバルな村は健全な村へと変化していったのです。

こうなってくるとナミビアとしてもベーシックインカムを導入しよう、という流れになりそうですが、やはりいくつか問題も起きてしまいました。

一つは、ベーシックインカムの財源がなくなったことです。実は試験は2年間だけとしてきましたが、2010年以降も月額80ナミビアドルに減額はしたものの、ベーシックインカムの支給は続いていました。しかし、2013年には資金不足に陥り定期的な支給ができなくなってしまっているようです。

二つ目は、ナミビア政府がベーシックインカムの導入に消極的になっていることです。この理由は先ほど挙げた財源不足が原因ではありません。国際通貨基金(IMF)がベーシックインカムに反対していて、政府がその意見を無視できないこと、ベーシックインカムの試験導入地が与党の支持基盤でなかったことを原因として挙げています。前者は現状維持をしたい(と思われる)IMFの意見によるもの、後者はナミビアの国内政治の事情によるものですね。

この実験はベーシックインカムによって人々が豊かになれる可能性を示してくれた一方で、IMFが出てくるくらいに経済に大きな影響を与える可能性もあるということを示した実験とも言えるでしょう。もちろん財源をどうするかを考えることは言うまでもありません。

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