ベーシックインカム制度は景気回復の手段となりえるか?

現在の日本は昔からずーっと不景気不景気と呼ばれています。ベーシックインカムはこの不景気を回復させることができるのでしょうか?

日本の景気はずっと悪いまんま

日本が不景気と呼ばれるようになったのはおそらくバブル崩壊の頃からでしょう。バブル崩壊は1970年代に発生し、その後は「失われた20年」と呼ばれる低成長期に入ることになります。

現在に至るまでITバブルなど、日本の景気を回復させる要素はいくつかありましたが、長期的な目で見るとどれも根本的な景気回復とは言えないのが現実です。

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引用:ニッセイ インターネットアンケート ~1月:「2016年の抱負・期待」について~ – 日本生命保険相互会社

数値データだけでなく、国民の景気の意識もよいとは言えません。上のアンケートを見ると、2016年の景気は2015年よりも悪くなると答えた人がなんと55.6%という高い数値になっています。アベノミクスやオリンピックといった景気回復の要素はいろいろ見られるのに、更に悪くなると答えた人が2人に1人はいるということになります。

そもそもなぜ「景気が悪い」と思うのか?

ここでかんがえるのは、「なぜ景気が悪いのか」ではなく、「なぜ景気が悪いと思うのか」というところです。先に言っておくと現在の景気はよくなっていると言いたいわけではありません。

景気が悪い理由は様々なことが考えられます。「リーマンショック」「東日本大震災」などなど、しかしその一方で政府もそれに対する対策を打ち出していることも事実です。

第2次安部政権の場合ですと、3本の矢といわれる「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「成長戦略」を中心にさまざまな景気対策を行っています。

しかし、これほどまでの対策を行ったとしてもむしろ景気が悪くなると考える人が多いのはなぜでしょうか? その答えは意外と簡単なものであると考えられます。

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引用:ニッセイ インターネットアンケート ~1月:「2016年の抱負・期待」について~ – 日本生命保険相互会社

先ほどのニッセイのアンケートの続きです。どんな時に景気が良くなったと感じるか、という質問に対して労働者にあたるであろう50代までの人たちの約7割の人たちが「収入が増える」と回答しています。

政府で行われている討論で景気回復のデータとしてGDPなどの数値や雇用の増加などをアピールしているところをよく見かけますが、このアンケートを見る限り、「GDPや雇用の増加などははっきり言ってどうでもよくて、とにかく収入(給料)が増えないと景気回復は実感できない」ということが言えそうです。

さらに、こんなデータもあります。

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引用:ニッセイ インターネットアンケート ~1月:「2016年の抱負・期待」について~ – 日本生命保険相互会社

2016年にあなたの給料は増えるか? という質問に対して「増える」と答えた人はたった14%しかいません。むしろ減ると答えた人の方が多いという結果になっています。

大企業などでは春闘でベースアップが行われたというニュースを見かけたりもしますが、そもそも日本の大部分が中小企業であり、さらに非正規雇用も4割を超えているという状況ですから実際に給料が増えた人はどれくらいいるのでしょうか?

もしベーシックインカムが導入されたら?

日本の現在の景気についてみてきましたが、もしこの状況でベーシックインカムが導入されるとなった場合、日本の景気はどうなるのでしょうか?

一般のサラリーマンは間違いなく収入が増える

ベーシックインカムの制度をどうするかという問題はありますが、このサイトで定義している「一人一人に無条件でお金を支給する」という制度になった場合、単純に現在の給料プラスベーシックインカムの収入が得られることになりますので、サラリーマンの可処分所得は間違いなく増加することが予想されます。

そうなれば、不景気できつく縛られていた財布のひもが緩み、消費が増加することも期待されますね。こうなると、「景気が回復している」という意識も広がる可能性はありますね。

ただし、ベーシックインカムが原因で会社を辞める人が出てきて、全体の消費が増えないということも考えられます。

制度の方法によっては景気は回復しないかも?

2016年の6月にスイスで実際にベーシックインカムを導入するかの投票が行われましたが、このときに考えられた制度は「一定の収入以下の時にのみベーシックインカムを支給する」というものでした。

現在の日本でかんがえた場合、「収入が150万円以下の人にのみベーシックインカムを支給する」というような条件になりますが、こんな条件が付いていたらあなたの財布のひもは緩みますか? リスクを冒してでも新しいことにチャレンジしてみますか?

今回はベーシックインカムと景気についてみてみましたが、ベーシックインカムが本格的に導入された前例がまだ存在しないため、現在は試験的な導入の結果などでしか予測を立てることができません。

ベーシックインカムの議論や導入意欲はヨーロッパで高まっているため、今のところはそこで得られる情報をもとに予測を立てるしかないでしょう。(おそらく、ベーシックインカムについての議論は専門家の間でも意見が割れるのではないかと思います。)

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