現在の日本が抱える問題の一つにワーキングプアという問題があります。今回はこれとベーシックインカムについて考えてみます。
ワーキングプアの定義
ワーキングプアとは「働いているけれど収入が少ない人」を指します。
日本では明確な規定をしていないようですが、一般にワーキングプアの年収は200万円以下と言われています。
日本の給与所得者の平均年収が414万円と言われているので、半分以下の年収になります。
低所得者でも所得税率を5~10%を納めるので、実質の手取りの15万円/月以下、この中から家賃や光熱費、食費を払うと使えるお金はほとんど残らないのが実態です。
一方、生活保護がおおよそ12万円/月、子供がある場合は加算されます。
一生懸命働いている額と生活保護費がほぼ同額か、多くは生活保護以下になるようです。
公的な補助が無い低所得のワーキングプアは、当然蓄えもなく、やむを得ない突然の出費や健康を害して働けなくなれば、その生活はあっという間に破綻してしまうことになります。
年収200万円以下だとワーキングプアになるみたいですね。調べていくと、ちょっと前までは一億総中流といわれていたのがこのラインが景気の停滞などの原因によって下がってきており、こういったワーキングプアと呼ばれる人たちが増加しているみたいです。
最低賃金で働くと
正社員であってもワーキングプアである可能性は十分考えられます。正社員を最低賃金で働かせればどうなるのでしょうか?
東京都の最低賃金は932円(平成28年10月からこの価格になるみたいなのでこちらでかんがえます。)となっています。
残業やボーナスが全くなく、1日8時間勤務、月20日勤務した場合、年収は以下の通りになります。
932(時給)×8(1日の労働時間)×20(1ヶ月の勤務数)×12(ヶ月)=1,789,440円
200万円を切っていますね。さらにこれに保険料や年金、所得税や住民税がかかってくると手元に残る金額はほとんどありません。
正社員で時給制をとっているところはあまりないと思いますが、月収が15~16万円ボーナスなしで働いている人はワーキングプアになっている可能性が高いです。
ベーシックインカムでワーキングプアの問題は解決できる
ワーキングプアになると貯金もできませんし遊びに使うお金もありません。本当にただ生きるためだけに働いている状態になってしまいます。
もちろん、「それなら転職すればいいじゃないか」という意見もあるでしょう。しかし、ワーキングプアの人たちにとっては今の仕事を辞めてしまうと生活費の心配などがありますので、そう簡単に踏み切れるものではないでしょう。
しかし、ベーシックインカムの導入によってこれらの問題は解決する可能性が高いと考えられます。生活費の心配がなくなりますので転職のハードルは下がりますし、本当にやりたかったことに腰を据えてじっくりと取り組むことだって可能となります。「いや、俺はワーキングプアかもしれないけれど好きな仕事だからやめる気はない」という人はそのままその仕事をつづけながらベーシックインカムをもらうことによって幸福度が増し、さらに仕事に対するやる気も上がるのではないでしょうか?
今や一億総中流から一億総貧民になりそうな状況の中で、ベーシックインカム制度というものはワーキングプアの問題を解決するのに非常に有効だと考えられます。
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