労働者にとってはベーシックインカムはうれしいものですが、中小企業の経営者にとっては悩ましいものとなるかもしれません。
毎年多くの企業が倒産している
日本には三菱やNTTといった大企業もある一方、知名度がほとんどない中小、零細企業もたくさん存在します。2016年版 中小企業白書概要によると、日本の大企業の数は1.1万、中小企業の数は380.9万、両方合わせると約382万ほどとなっています。
そして、この中からどれだけの企業が倒産しているかご存知ですか?
2008年 15,646件
2009年 15,480件
2010年 13,321件
2011年 12,734件
2012年 12,124件
2013年 10,855件
2014年 9,731件
2015年 8,812件
引用:全国企業倒産状況 – 東京商工リサーチ
2014年くらいからは景気好調の影響か、倒産件数は減少傾向にありますが、バブル崩壊以降1万件を超える企業が倒産をしています。(もちろん、この間に起業した会社も数多くあります)
倒産の原因の大半は資金がショートする事によるものが多いですが、最近では人手不足が原因で倒産する企業も増えてきています。
全体の企業倒産が低水準で推移が続くなかで、「人手不足」関連倒産は前年を上回った。中小企業を中心に人手不足は解消していない。
東京商工リサーチでは、これまでも「人手不足」関連倒産を集計してきたが、主に代表者死亡や入院などによる「後継者難」型、経営幹部や社員の退職に起因した「従業員退職」型が中心だった。だが、最近は「求人難」型もみられ、人手不足や人件費高騰は中小企業経営の重要課題になっている。
人手不足による倒産は全体の倒産件数に比べると小さいかもしれませんが、今後少子化になることが予測されることを考えると、見逃していい事態ではないと考えられます。
ベーシックインカムの導入で生き残り競争はさらに激しくなる可能性がある
もし日本でベーシックインカムが導入された場合、業界によってはさらに人材不足が深刻化することが予想されます。特に中小企業ではそれが顕著に表れるかもしれません。現在の日本においてはベーシックインカムが導入される可能性はかなり低いものの、今後のことを考えて何らかの対策を打っておくことも必要となるでしょう。
ちなみに、もしあなたがブラック企業の経営者であればベーシックインカムの導入によって人は集まらなくなるでしょう。もし対策を打つのであればまずはブラックな経営をやめることをお勧めします。
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